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労働者派遣講座 > 派遣先の方へ > 【4】労働契約申込みみなし制度 Q18 違法派遣

労働契約申込みみなし制度

違法派遣
解説

1. 偽装請負等の場合に該当する要件

次の①~③の要件をすべて満たした場合が、偽装請負とされます。

  1. 労働者派遣法又は労働者派遣法の規定により適用される労働基準法等の規定の適用を免れる目的を有すること。

    ①は「免れる目的」を要件として明記していることからといって、指揮命令等を行い偽装請負等の状態になったことのみをもって「偽装請負等の目的」を推定することはできません。ただし、「労働契約申込みみなし制度について」の通達によれば、請負契約等を締結した時点で「偽装請負等の目的」が無くても、その後、派遣先等が受けている役務の提供が偽装請負等に該当するとの認識が派遣先等に生じた時点が、一日の就業時間の開始時点であれば当該日に、開始時点より後であればその翌就業日に、偽装請負等の状態が解消されない場合は「偽装請負の目的」で契約を締結し、役務の提供を受けたのと同視しうる状態と考えられるとしています。

  2. 請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結すること。
  3. 労働者派遣契約を締結せずに労働者派遣の役務の提供を受けたこと。

(平成27年9月30日「労働契約申込みみなし制度」指針)

(派遣法第40条の6第1項第5号)

2. 善意無過失

派遣先が、違法派遣に該当することを知らず、かつ、知らなかったことについて過失が無い場合には、労働契約申込みみなし制度の対象とはなりません。

法令の不知について、善意無過失の抗弁は認められませんし、善意無過失の主張立証責任は派遣先が負いますので、この抗弁が認められる事例は、非常に少ないと考えられます。

派遣先は、厚生労働省のホームページで公開されている「労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド」を参照し、偽装請負にならないよう十分注意すべきです。

(昭和61年4月17日労働省告示第37号、改正平成24年9月27日厚生労働省告示第518号「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示」)

(派遣法第40条の6第1項前文)

(弁護士 江上千惠子氏 執筆)

解説