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労働者派遣講座 > 派遣先の方へ > 【3】派遣労働者を受入れているとき Q15 派遣先による均等待遇の確保

派遣労働者を受入れているとき

派遣先による均等待遇の確保
解説

1. 概要

派遣労働者と派遣先の労働者との均等待遇を推進し、派遣労働者の処遇改善を図るのは、一義的には雇用主たる派遣元事業主ですが、実際は派遣先による対応がないと処遇の改善が進まないため、派遣法は、派遣先にも教育訓練・福利厚生等に関し、必要な措置を講ずるものとしています。

2. 教育訓練・能力開発

派遣先は、派遣先の労働者に対して業務の遂行に必要な能力を付すための教育訓練を行っている場合は、これらの者と同種の業務に従事する派遣労働者に対しても、派遣元事業主からの求めに応じ、当該派遣労働者が既に当該業務に必要な能力を有している場合や派遣元事業主で同様の訓練を実施することが可能である場合を除いて、当該訓練を実施する等必要な措置を講じなければなりません。 平成30年派遣法改正前は、配慮義務が規定されていましたが、平成30年改正により、法律実施義務へと厳格化されました。

(派遣法第40条第2項)

なお派遣先は、派遣元事業主が派遣労働者に対し教育訓練を実施するに当たって、派遣元事業主から求めがあったときは、派遣元事業主と協議を行い、派遣労働者が当該教育訓練を受けられるよう可能な限り協力する等の便宜を図るよう努めなければなりません。

(派遣先指針第2の9(3))

3. 福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)

派遣先は、派遣先に雇用される労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設のうち、給食施設、休憩室、更衣室については、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対しても、利用機会を与えなければなりません。平成30年派遣法改正前は、配慮義務が規定されていましたが、平成30年改正により、法律実施義務へと厳格化されました。

(派遣法第40条第3項)

4. 福利厚生施設(3.の施設を除く)

診療所等の施設(浴場、理髪室、保育所、図書館、娯楽室、保養施設等)であって、現に派遣先労働者が通常利用しているものの利用に関する便宜の供与等必要な措置を講ずるよう配慮しなければなりません。

(派遣法第40条第4項)

(派遣先指針第2の9(1))

5. 派遣先が2.3.の義務を履行しない場合の取扱い

派遣先が2.3.の義務違反した場合、厚生労働大臣は、必要な指導及び助言(派遣法第48条第1項)にとどまらず、同じく行政指導としての勧告、さらに同勧告に従わなかった場合には、その旨を公表することができます。

(派遣法第49条の2第2項)

(弁護士 江上千惠子氏 執筆)

解説