■1. 派遣元管理台帳作成の意義
派遣元管理台帳は、派遣元事業主が派遣労働者の雇用主として適正な雇用管理を行うために作成するものです。派遣元事業主は、事業所ごとに派遣元管理台帳を作成する義務があり、派遣労働者ごとに、法令で定める事項を記載しなければなりません。
また、派遣終了の日から3年間保存する義務があります。
(派遣法第37条)
■2. 派遣元管理台帳の記載事項
(平成30年派遣法改正により追加された事項は、★を付します。)
- 派遣労働者の氏名
- ★協定対象派遣労働者であるか否かの別
記載例「協定対象労働者です。」「協定対象労働者ではありません(派遣先均等・均衡方式です)。 - 無期雇用派遣労働者か有期雇用派遣労働者かの別
- 60歳以上の者であるか否かの別
- 派遣先の氏名又は名称
- 派遣先の事業所の名称
- 派遣先の事業所の所在地その他派遣就業の場所及び組織単位
- 労働者派遣の期間及び派遣就業をする日
- 始業及び終業の時刻
- 従事する業務の種類
- ★派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度・・・具体的に記載することが望ましいです。
記載例「副リーダー:部下2名、リーダー不在の間における緊急対応が週1回程度有ります。」、「役職はありません」 - 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
- 紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項
- 派遣元責任者及び派遣先責任者に関する事項
- ⑧で定める日又は⑨で定める時間以外に派遣就業をさせることができる旨の定めをした場合は、その日又は延長することができる時間数」
記載例「就業時間外の労働 1日4時間、1か月45時間、1年360時間の範囲で命じることができます。」 - 期間制限のない労働者派遣に関する事項
- 派遣労働者に係る健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無…「無」の場合は、その理由を具体的に付すことが必要です。手続終了後は、「有」に書き換えることが必要です。
記載例「雇用保険:有、健康保険:無(現在、被保険者資格の取得届の必要書類の準備中であり、〇月〇日に届出予定)、厚生年金保険:無(現在、被保険者資格の取得届の必要書類の準備中であり、〇月〇日に届出予定) - 段階的かつ体系的な教育訓練を行った日時とその内容に関する事項
- キャリア・コンサルティングを行った日時とその内容に関する事項
- 雇用安定措置の内容…派遣労働者に対して実施した措置の日付、内容とその結果について記載する必要があります。派遣先に対して直接雇用の依頼を行った場合については、派遣先の受入れの可否についても記載する必要があります
(業務取扱要領第7の20)
(弁護士 江上千惠子氏 執筆)
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