■ 1.離職した労働者についての労働者派遣の役務提供の受入れ禁止(派遣先の義務)
- 派遣先は、当該派遣先を離職した者について、離職の日から起算して1年を経過するまでの間は、原則として、労働者派遣の役務の提供の受け入れが禁止されています。
- 例外として、「60歳以上の定年退職者」を除きます。
60歳以上の定年退職者」とは、60歳以上の定年年齢に達した者のことをいい、継続雇用の終了後に離職した者や継続雇用中の者のような、60歳以上の定年退職者と同等の者も含まれます。 - 「派遣先」は、「事業者」単位で捉えられます。例えば、甲会社のA事業所を離職した労働者を同じ甲会社のB事業所へ派遣先することは、同じ「事業者」となりますので、離職後1年を経過しない場合には認められません。
また、グループ企業への派遣については、同一の「事業者」に該当しませんので、禁止対象とはなりません。 - 「労働者」とは、正社員に限定されるものではなく、非正規労働者も含まれます。
- ①に抵触する場合、派遣先は、派遣元事業主に対し、速やかにその旨を通知しなければなりません。
- ①に抵触する場合、厚生労働大臣は、当該派遣先に対し、指導・助言・勧告・公表することができます。
(派遣法第40条の9・第49条の2)
(業務取扱要領第8の10)
■ 2. 離職した労働者についての労働者派遣の禁止(派遣元事業主の義務)
派遣元事業主は、1に対応して、上記1-①の労働者を当該派遣先へ労働者派遣することが禁止されています。
(派遣法第35条の5)
(業務取扱要領第7の15)
(弁護士 江上千惠子氏 執筆・補正)
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