■ 1. 労働者派遣事業の許可
労働者派遣事業を営むには、厚生労働大臣から労働者派遣事業の許可を取得しなければなりません。
(派遣法第5条第1項)
許可を取得するためには、①労働者派遣法・労働基準法等の法規に違反する等の欠格事由に該当せず、②派遣法第7条に規定する許可基準をすべて満たす必要があります。
労働者派遣事業の許可後の有効期間は、許可の日から起算して3年です。許可の有効期間満了後に継続して労働者派遣事業を行うときは、期間満了を迎える3ヶ月前までに許可の更新手続きを行うことが必要です。また、許可の更新後の有効期間は5年となります。
(労働者派遣法第10条)
■ 2. 派遣についての区分
- 「登録型派遣」と「常用型派遣」の区分
「登録型派遣」とは、一般に、派遣労働を希望する者をあらかじめ登録しておき、労働者派遣をするに際し、当該登録されている者と期間の定めのある労働契約を締結し、有期雇用派遣労働者として労働者派遣を行う派遣のことをいいます。「登録型派遣」では、派遣就業の終了に伴い、雇用関係が終了します。
「常用型派遣」とは、一般に、労働者派遣事業者が常時雇用する労働者の中から労働者派遣を行う派遣のことをいいます。「常用型派遣」では、派遣就業の終了後も雇用関係が継続します。
- 「有期雇用派遣労働者」と「無期雇用派遣労働者」の区分
「有期雇用派遣労働者」とは、派遣労働者のうち、期間を定めて雇用される労働者のことをいいます。有期雇用労働者のうち、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して1年以上の期間当該労働者派遣にかかる労働に従事する見込みのある者であって、当該労働者派遣の終了後も継続して就業することを希望している者を「特定有期雇用派遣労働者」といいます。
「無期雇用派遣労働者」とは、派遣労働者のうち、期間を定めないで雇用される派遣労働者のことをいいます。
(派遣法第30条、第30条の2第1項)
派遣元事業主は、無期雇用の派遣労働者を募集する際は、正社員の募集と誤認されることがないよう「無期雇用派遣」という文言を使用する等の方法で、無期雇用の派遣労働者の募集であることを明示しなければなりません。
(派遣元指針第2の8(1))
(弁護士 江上千惠子氏 執筆・補正)