東京都労働相談情報センター

労働者派遣講座

このサイトについて
労働者派遣講座 > 派遣元の方へ > 【1】適正な労働者派遣とは Q2 専ら派遣(もっぱらはけん)の禁止

適正な労働者派遣とは

専ら派遣(もっぱらはけん)の禁止
解説

1. 「専ら派遣」とは

「専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的」として行われるものが、「専ら派遣」です。特定の者に対してのみ当該労働者派遣を行うことを目的として事業運営を行っている労働者派遣をいいます。

「専ら派遣」は、原則として禁止されており、労働者派遣事業「専ら派遣」の目的として行われないことが事業の許可要件となっています。

その理由は、人材派遣が特定企業の労働力供給源になることで、正社員の雇用が阻害され、労働力需給調整システムとして位置付けられた労働者派遣事業制度の趣旨に反するからです。

(派遣法第7条第1項第1号)

2. 「専ら派遣」の例外

「専ら派遣」は原則として禁止されていますが、例外として、雇用の機会の確保が特に困難であると認められ、労働者の雇用の継続等を図るために必要であると厚生労働省令で定める場合において行われるものについては、専ら派遣が認められます。

「厚生労働省令で定める場合」とは、当該労働者派遣事業を行う派遣元事業主が雇用する派遣労働者のうち、10分の3以上の者が60歳以上の者(他の事業主の事業所を60歳以上の定年により退職した後雇い入れられた者に限る。)である場合です。

(派遣法施行規則第1条の4)

3. 「専ら派遣」をしている派遣元事業主に対する制裁

「専ら派遣」をしていると認められる場合、厚生労働大臣は、派遣元事業主に対し、当該労働者派遣事業の目的及び内容を変更するよう勧告することができます。

また、派遣元事業主は、許可の取消し、事業停止命令の対象となります。

(派遣法第48条2項)

(派遣法第14条1項・第14条2項)

(弁護士 江上千惠子氏 執筆・補正)

解説