■1. ストレスチェック制度とは
ストレスチェック制度とは、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止やストレスの原因となっている職場環境の改善を目的として、常時使用する労働者の心理的な負担の程度を把握するために医師等によって検査を行う制度のことです。
常時50人以上の労働者を使用する事業場(法人単位ではありません)では、実施が義務づけられています。
なお、50人未満の事業場は当分の間、努力義務とされています。
検査の結果、一定の要件を満たす労働者から申し出があった場合、事業者は医師による面接指導を受けさせなければならず、さらにその結果に基づいて、必要に応じて就業上の措置を講じなければなりません。
(労働安全衛生法第66条の10)
したがって、派遣元事業主と雇用契約を結んでいる派遣労働者が50人以上いる場合には、派遣元事業主は、ストレスチェックを実施する義務があります。
■2. 派遣元が、ストレスチェック実施について留意すべき事項
指針は以下の事項を定めています。
- 派遣元は、面接指導が適切に行えるよう、派遣先から通知された派遣労働者の労働時間だけでなく、必要に応じ、派遣先に対しその他の勤務状況又は職場環境に関する情報について提供するよう依頼すること。
- 派遣元が、派遣労働者に対する面接指導の結果に基づき、医師の意見を勘案して派遣労働者に対する就業上の措置を講じるに当たって、派遣先の協力が必要な場合には、派遣元は、当該派遣労働者の同意を得た上、派遣先に対して協力を要請すること。
平成27年4月15日「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施ならびに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針公示第1号」最終改正:平成30年8月22日「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施ならびに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針公示第3号」
(弁護士 江上千惠子氏 補正)