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労働者派遣講座 > 派遣元の方へ > 【4】労働者を派遣するとき Q16 労働時間、休日、休暇、育児・介護休業の管理

労働者を派遣するとき

労働時間、休日、休暇、育児・介護休業の管理
解説

1. 時間外労働の有無に関する合意

派遣労働者に時間外労働や休日労働をさせるためには、派遣元は、派遣先との間で時間外労働をさせる場合がある旨の合意をし、派遣個別契約書に記載する必要があります。

さらに、派遣労働者との間で時間外労働をさせる場合があることについて合意をし、就業条件明示書等によってあらかじめ明示する必要があります。

(労基法第37条)

2. 労働者派遣契約書及び就業条件明示書への記載

労働者派遣法では、時間外労働や休日労働をさせる場合は、労働者派遣契約書にその上限時間数と日数を記載しておかなければならないとされています。

派遣元会社において36協定の締結がされ、 届出も行われている場合であっても、労働者派遣契約書及び就業条件明示書に記載されていない場合は、 派遣労働者に時間外労働や休日労働を命じることはできません。

さらに、労働者派遣契約書では、時間外労働や休日労働に対する割増賃金の額や計算方法も定めておく必要があります。

3. 年次有給休暇

年次有給休暇は労働者の権利であり、派遣労働者も付与される要件を満たせば、同様に権利を取得し自由に権利行使が可能です(時季指定権)。

年次有給休暇が付与される要件は以下のとおりです。

  1. 派遣元との間で、雇用関係が6か月間継続していること

    (6ヶ月に満たない短期契約であっても、契約を更新して6ヶ月以上継続するようになった場合には、これに該当します。)

  2. 全労働日の8割以上を出勤していること

    (最初は入社日から6ヶ月までの全労働日の8割以上出勤していることが必要です。)

4. 産前・産後の休暇

女性労働者は、出産予定日の6週間前(多胎妊娠は14週間)から、産前の休業を派遣元へ請求することができます。また、派遣元は、原則産後8週間を経過しない女性を就業させることはできません。

また、妊産婦が請求した場合には、時間外労働や休日労働、深夜業をさせることはできません。

(労基法第65条)

(労基法第66条第2項)

5. 妊娠中・出産後の健康管理に関する措置

派遣元及び派遣先は、妊娠中および出産後の女性労働者に対して、保健指導や健康診査を受けるための時間を確保しなければなりません。

また、保健指導や健康診断に基づく指導事項を守れるよう、勤務時間の変更や勤務の軽減などの必要な措置を講じなければなりません。

(均等法第12条)

(均等法第13条第1項)

6. 育児休業について

育児休業は、原則1歳未満の子の養育をするために休業することができる制度で、男女労働者とも申し出によって取得することができます。

期間の定めがある場合にも、1年以上の雇用実績があり、当該休業終了後も継続して雇用されることが見込まれる場合など、一定の要件を充たせば休業が可能です。

7. 生理休暇

生理日の就業が著しく困難な女性労働者は、必要な日数の休暇を派遣先へ請求することができます。

(労基法第68条)

8. 不利益取扱いの禁止

派遣元及び派遣先は、女性労働者が婚姻、妊娠、出産したことや、産前産後休業を取得したこと、妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置を求めたこと等を理由として、解雇その他の不利益取扱いをしてはなりません(均等法第9条第3項)。

妊娠中及び産後1年以内の解雇は、派遣元が「妊娠・出産・産前産後休業を取得したこと等を理由とする解雇でないこと」を証明しない限り、無効となります(均等法第9条第4項)。

(均等法第9条第3項・第4項)

解説