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パート社員を活用している事例を知りたい

8.安心して働いてもらうための環境を整えたい

製造業…食品製造/従業員数:約50人(うちパート社員15人)

育児・介護休業法を遵守して、働き続けられる環境を整備

★育児介護休業法について、詳しくはこちらをご覧下さい(厚生労働省「育児・介護休業法について」)。

■生活と仕事との両立(ライフ・ワーク・バランス)への取り組み

食品の製造・販売を行っているG社では、安心して働いてもらうための取り組みとして、育児支援に力を入れています。

担当者はこう言います。

「私が入社した40年ほど前は、パート社員もまだ5人ほどで、お互いが融通を付け合いながら、柔軟に働き業務をまわしていく風土がありました。しかし女性パート社員が出産しても産前産後休業以外に利用できる制度はありませんでした。産休明けの支援も、労働基準法の育児時間を利用して早退ができるといったものでした。育児支援の制度を整備したのは、育児休業が法律で制度化されたのもありますが、女性正社員やパート社員が増えていくなかで、こうした法律に基づく最低限の制度ではダメだろうと考えてのことでした。きちんと制度化して、誰もが利用しやすい環境を整えれば、退職防止の効果にもなると考えたのです」

■制度の運用にあたって留意したこと

制度化にあたって、特に注意したのは、実際に使える制度にするという点でした。G社の業務は食品製造と選別、品質検査と計量、袋詰め、箱詰めから包装まで。1年間の製造目標量があり、それを日割りにした量を、日々生産しています。つまり、誰かが休みを取得すると、その分ほかの人の仕事がきつくなるのです。

「制度を使ってもらうには、周囲の理解が不可欠です。だからこそ、全スタッフにきちんと説明するのはもちろんのこと、制度利用者が出る場合『誰がいつ、どういう制度を使う予定か』を、本人の同意を得て、その人と同じ部門の社員に丁寧に説明しています。また、本人が遠慮したりしないよう、事前に個別に声を掛け、意向を聞くように努めています。使いたい制度は個々の事情によって、違うからです」「令和に入ってから、育児・介護休業法で、育児を行う労働者に個別に周知・意向確認する制度ができましたが、うちでは20年前から取り入れているんですよ。」

■ゆとりある人員配置と柔軟な働き方の適用

とはいえ、育児と仕事の両立を推進するにあたって、育児期にないパート社員に「不公平感」が生じては、会社の風土に悪影響を及ぼします。そのため適正人数より多めに雇用し、過度な負担や不公平が生じない、物理的な工夫も行いました。また、同社には正社員にも柔軟な働き方を選択できる制度があります。短時間勤務制度や所定外労働の免除を活用してもなお、時間や体力的な問題でこれまで通りには仕事を続けづらい場合には、労働者の選択によって法律が定めるよりも短時間での勤務を選択できる制度です。これを選択すれば1日2時間からの短時間勤務や、土日曜出勤をしないといった、より柔軟な働き方が可能です。本人が希望した場合、いつでもフルタイムに戻れます。

■介護と仕事の両立

育児・介護休業法上の介護休業、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜労働の制限、介護休暇、短時間勤務や介護費用の援助等について、パート社員にも適用されることから、制度の周知をしています。労使協定での適用除外を採用していないので、入社して1年未満の従業員や、所定労働日数が週2日以下のパート社員も、介護休業をはじめ、介護と仕事の両立のための各制度の利用が可能となります。

■子の看護等休暇・介護休暇の時間単位取得とパート社員

育児や介護を行う労働者が、子の看護等休暇や介護休暇を時間単位で取得することができるようになりました(令和3年1月1日)。これに伴い、所定労働時間数が短いパート社員も、始業・終業時刻に接する時間帯において、時間単位での子の看護等休暇および介護休暇を取得できるようになりました。

令和7年4月1日より、子の看護等休暇と介護休暇については、勤続6か月未満の労働者の労使協定除外の仕組みが廃止され、勤続6ヶ月未満の労働者が取得できるようになります。また、子の看護等休暇の取得事由が拡大され、感染症に伴う学級閉鎖等、入園(入学)式及び卒園式が追加されました。これらもパート社員が利用できます。

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