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パート社員を雇う際のルールを知りたい

募集と採用のルール

パート社員を募集するときは、求める人材像を明確にしましょう。
また、労働者を募集する際、業務の内容及び賃金、労働時間等の労働条件を明示しなければなりません。
一定の理由で応募者を募集・採用から排除することは、法律に違反する差別として禁止されています。

採用の自由 :募集・採用は、基本的に事業主の経営の自由、契約の自由ですが
⇒ すべての採用基準を事業主の自由に委ねると、雇用機会の不平等が生じるおそれがあるため
⇒ 法令により一定の制限が設けられています

具体的に禁止される差別的取扱いとは

性差別の禁止

募集・採用の際の次のような差別的取扱いは、男女雇用機会均等法違反となります。

  1. 募集・採用にあたって、男女のいずれかを排除すること
  2. 募集・採用の条件を男女で異なるものにすること
  3. 採用選考の方法や基準について男女で異なる取扱いをすること
  4. 募集・採用において、男女のいずれかを優先すること
  5. 求人内容の説明等、募集・採用に係る情報の提供について、男女で異なる取扱いをすること

年齢差別の禁止

募集・採用にあたっては、原則として年齢により差別してはなりません。(雇用対策法10条)

ただし、定年年齢を上限とする場合、労働基準法その他の法令の規定により年齢制限が設けられている場合(深夜業、危険有害業務等)、新卒採用の場合(無期雇用に限る)、技能・ノウハウの継承の観点から特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定する場合(無期雇用に限る)、芸術・芸能の分野等は、例外も認められています。

この年齢制限の禁止は、ハローワークに求人申込みを行うときだけでなく、民間の職業紹介事業者や新聞広告、事業主が自ら募集・採用を行う際にも適用されます。

なお、求人票は年齢不問としながらも、年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決定したりする行為は同法の趣旨に反します。

事業主は、募集・採用の際、労働者に求められる能力、経験、技能の程度などの事項をできるだけ明示しましょう。

障害者差別の禁止と障害者雇用率制度

事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者に対して、障害者でない者と均等な機会を与えなければならず(障害者雇用促進法34条)、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、労働者が障害者であることを理由として、障害者でない者と不当な差別的取扱いをしてはなりません(同法35条)。事業主が守るべき事項は、「障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」(平27.3.25厚労告116号)に定められています。

事業主は労働者の募集及び採用について、障害者と障害者でない者との均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するため、労働者の募集及び採用に当たり障害者からの申出により当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければなりません。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでありません(同法36条の2)。具体的な留意事項は、「雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会若しくは待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために事業主が講ずべき措置に関する指針」(平27.3.25厚労告117号)において示されています。

これらはパート社員の募集・採用に際しても適用されますのでご留意ください。

使用者は、その雇用する全従業員のうち、一定割合(障害者雇用率)の障害者(身体障害者、知的障害者、精神障害者)を雇用することが義務付けられています(障害者雇用促進法43条)。この障害者雇用率が適用されるのは、民間では45.5人以上の従業員を雇用する事業主です。障害者雇用率は、民間では2.2%、国・地方公共団体等では2.5%です(将来、さらに、0.1%引き上げられることになっています)。

公正な採用選考に向けて

日本国憲法は、基本的人権の一つとして全ての人に「法の下の平等」と「職業選択の自由」を保障しています。

「職業選択の自由」は、誰でも自由に自分の適性・能力に応じて職業を選べるということですが、この「職業選択の自由」の精神を実現するためには、ごく限られた人にしか門戸が開かれず、人種、信条、性別、社会的身分又は門地など本人の適性・能力以外のことを採用基準とするなどの不合理な理由で就職の機会が制限されない「就職の機会均等」の実現が不可欠です。

東京都では、「就職の機会均等」を確保するために、応募者の基本的人権を尊重した「公正な採用選考」を実施するよう事業主の皆様方に御協力と御努力をお願いしています。事業主の皆様方におかれましては、公正な採用選考の考え方について御理解いただき、パート社員についても、差別のない公正な採用選考の実施に向けて積極的な取組をお願いいたします。

https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/kaizen/kosei/

  • 使用者は、労働者の募集に当たり、求職者が提供する個人情報について、業務の目的の範囲内で収集、保管、使用しなければなりません(職業安定法5条の4)。
  • 労働組合に入っていることや労働組合の正当な活動を理由として不利益に取り扱うことは労働組合法で禁止されています。
  • 募集時の労働条件の明示

使用者(求人者)は、労働者の募集に当たり、求職者に対して、書面(又は電子ファイル)によって次の労働条件を明示しなければなりません(職業安定法5条の3、職業安定法施行規則4条の2)。

  • 労働者が従事すべき業務の内容に関する事項
  • 労働契約の期間に関する事項
  • 試みの使用期間に関する事項
  • 就業の場所に関する事項
  • 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日に関する事項
  • 賃金(臨時に支払われる賃金、賞与等を除く)の額に関する事項
  • 健康保険・厚生年金保険・労災保険・雇用保険の適用に関する事項

使用者は、これら明示する事項が虚偽、又は誇大な内容にならないようにしなければなりません。

もし、当初明示した労働条件と労働契約の締結に際し示す労働条件とが異なる場合(当初の明示の範囲内で労働条件を特定する場合、当初の明示の労働条件を削除する場合、当初明示していない労働条件を新たに提示する場合を含む)には、改めて書面交付の方法で労働条件を求職者に明示しなければなりません。さらに、面接等の過程で労働条件に変更があった場合、求人者等は速やかに求職者に知らせるよう配慮が必要です。

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