第3 派遣元事業主の派遣労働者に対する説明義務の強化
派遣労働者が不合理な待遇差を感じることのないよう、雇入れ時、派遣時、派遣労働者から求めがあった場合、派遣労働者への待遇に関する説明義務が強化されました。
1 雇入れ時の説明
(1)労働条件に関する事項の明示…次の事項を明示しなければなりません。なおあわせて労基法第15条に基づく労働条件の明示も必要です。
①昇給の有無
②退職手当の有無
③賞与の有無
④労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か(対象である場合には、労使協定の有効期間の終期)
⑤派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
(派遣法第31条の2第2項1号)
(2)不合理な待遇差を解消するために講ずる措置の説明…次の事項を説明する義務があります。
①派遣先均等・均衡方式によりどのような措置を講ずるか
②労使協定方式によりどのような措置を講ずるか
③職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案してどのように賃金(職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金を除く)決定するか
(派遣法第31条の2第2項2号)
2 派遣時の説明
(1)労働条件に関する事項の明示…次の事項を明示しなければなりません。なおあわせて労基法第34条第1項に基づく労働条件の明示も必要です。
①賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金を除く)の決定等に関する事項
②休暇に関する事項
③昇給の有無
④退職手当の有無
⑤賞与の有無
⑥労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か(対象である場合には、労使協定の有効期間の終期)
(派遣法第3条の2第3項1号)
(2)不合理な待遇差を解消するために講ずる措置の説明
①派遣先均等・均衡方式によりどのような措置を講ずるか
②労使協定方式によりどのような措置を講ずるか(業務の遂行に必要な能力を付与するために実施する教育訓練と給食施設、休憩室及び更衣室に係るものに限る)
③職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案してどのように賃金(職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金、例えば通勤手当等を除く)決定するか
(派遣法第31条の2第3項2号)
3 派遣労働者から求めがあった場合の説明(派遣法第31条の2第4項)
(1)派遣先均等・均衡方式の場合…派遣労働者と比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び待遇の相違の理由等について説明しなければなりません。
(2)労使協定方式の場合…労使協定を決定するに当たって考慮した事項等について説明しなければなりません。