- 派遣労働者の権利を守るため派遣会社(派遣元)や派遣先が守るべきルールを定めた法律が労働者派遣法です。労働者派遣法の考え方を知りましょう。
- 労働者派遣法では、雇用主(派遣元事業主)、使用主(派遣先)が分離しているのが大きな特徴で、それぞれに果たすべき義務や責任があります。
- 派遣労働者を受け入れて、スムーズな企業運営を行うためには、どのような注意が必要か確認しましょう。
今すぐ働き手が必要な職場と、今すぐ働きたいという労働者のそれぞれの要求を満たし、双方の利益とりわけ派遣という形態で働く労働者の権利を守るための法律が「労働者派遣法」です。
「労働者派遣法」または単に「派遣法」と呼ばれるものは、通称です。
正式な名称は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」という長い名前の法律です。労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の保護等を図り、もって派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的としています。
また、労働者派遣は、雇用主(派遣元事業主)と使用主(派遣先)が分離するという大きな特徴があります。そのため、労働者保護の観点から、労働者派遣が可能な業務が制限され、派遣元事業主と派遣先に様々な責任が課せられています。派遣労働者数は約263万人(平成26年度)にのぼり、かつては正規従業員を補う形で活用されていた派遣労働者ですが、現在では職場に欠くことのできない人材となっていると言ってもいいでしょう。
ここでは、派遣労働者が働きやすい環境づくり、職場づくりの一助となるよう、派遣労働者を雇用している派遣元の方、派遣労働者を活用している派遣先の方へ、労働者派遣法をはじめ、労働者派遣に関するルールについて解説します。